認定看護師インタビュー
Interviews- 声をかけていただく機会が増え、仕事の幅が広がりました
- 認知症看護認定看護師 Mさん
最近、新たに始まったことや変わったことは?
認知症ケアチームはもともと発足されていたので、カンファレンスや院内のラウンドを行っています。以前と比較すると、チームの認知度が上がっているのか「こんなことに困っています」との相談や、連絡をいただく機会が多くなったと感じています。困っている患者さんに早めに対応できるようになっているのではないかと思います。
若い看護師さんは、認知症の方の対応はできていますか?
私が学生の頃は、認知症や高齢者に対するケアを特別に学ぶ機会はありませんでしたが、今の若い方は学校で勉強しています。入職時には、必ず認知症研修も行いますし、うまく対応ができていない人に対しては勉強会を企画しています。院内を回った時に気になる人に対しては声をかけ、一緒にケアに入っています。
患者さんとはどのように関わっていますか?
在宅復帰を目標としてどのような支援が必要なのかを考え、できる日常生活を増やしていけるような看護を提供しています。必要があればご家族に指導することもあります。
認知症患者さんの入院率30%が必要な病棟になるので、現在自分の資格である認知症認定看護師が役に立っています。
新しい動きはありますか?
院外の研修で講師をしたり、演習を行ったりする機会が増えました。近隣の病院(荏原病院)が当地域の認知症の基幹病院になるのですが、メインで行っている勉強会のサポートとして呼ばれ、講師やファシリテーターとして入っています。院内の人だけでなく、院外の看護師さんを対象に勉強会をやる機会はすごく勉強になります。
今後はどんな活動をしていきたいですか?
11月から5B病棟に異動になります。脳神経外科、脳神経内科メインの15床だけの病棟を作るのですが、「身体拘束をしない病棟」を立ち上げます。いかに身体拘束をしないで安全に治療の継続ができるのか、大きなミッション、大きな目標を掲げています。面白いチャレンジで、やりがいがすごくあるなと感じています。ハードルは高いのですが、今までやってきた経験を生かして、患者さんがスムーズに治療を受けられ、スムーズに退院していけるような病棟を目指しています。
認知症看護のポリシーとは?
認知症高齢者に、一人の人として関わっていくことが必要だと思います。点滴を自己抜去する、一人で歩く、転ぶなどいろいろなことが起こりますが、それは病気によって引き起こされていると理解しなければいけません。患者さんの状況を理解した上で必要なサポートができれば、事故は防げると思っています。認知症高齢者の権利(人権)を擁護するといわれていますが、そのポリシーで患者さんたちと接していける環境をつくれたら良いなと思います。