認定看護師インタビュー
Interviews- 患者さん、ご家族に対し 根拠を持った説明を
- 集中ケア認定看護師 Yさん
どのような業務をしていますか?
以前はICUの中でスキルを磨きつつ、根拠を持った技術を提供しながらICUのスタッフと一緒に働いていました。スタッフを育てる感じが強かったです。
現在は自部署だけではなく、他部署と関りを持っているので、いろいろな所に顔を出す機会があります。呼吸器に関わることが多く、初めて使う診療材料の使い方をスタッフに指導することもあります。人工呼吸器のついている方の状況をみて、先生と呼吸器の設定を変えてみてはどうか、という調整もしています。
「看護の根拠」はどうやって学んでいきますか?
人生設計の中で、どう死にたいか、どう生きたいかといった死生観があります。そして、1つの大きな病気に対して、たくさんの選択肢があります。選択肢を提供できるのは医療者で、これしかないと言われたら本人も家族もそれしかなくなってしまいます。ICUで色々な方と関わる中で、先生がおっしゃることが全てだと思い猪突猛進してきましたが、実際は倫理観を含めそれだけではないと感じるようになりました。手術ではない選択肢もたくさんある中で、「手術をしたら良くなるかもしれないがこの年齢でする必要が本当にあるのか」と疑問に思うこともありました。
患者さんやご家族が意思決定をするには、根拠が必要とされます。根拠がなければ、方法や情報を含めた提供ができません。手術で亡くなるかもしれない、でも家族との時間が増えるかもしれないといった先を見越した提案が必要です。私は、患者さんやご家族に後悔してほしくないのです。そうならないためにも根拠を持って説明をすることが大切だと考えています。
教育面で大切にしている事は?
「やらなければいけない」だけではなく、理由を伝えるようにしています。怒っている理由も伝え、直さないといけないと思えるようにしています。理由を伝えているのでスタッフも理解してくれて、納得して次に進めています。患者さんやご家族に対してだけではなく、スタッフにも根拠は大切だと思っています。
今は、集中ケアの認定看護師を持っているスタッフはいませんが、研修を受けた看護師はいるので、試験に受かれば仲間が増えるかもしれないと期待しています。
当院の中でどんなことをしていきたいですか?
集中ケアは、たくさんの患者さんを深く見る分野です。基本的なバイタル測定等のみならず、先を見越して気づく目を養うという意味では、技術を習得する分野でもあります。これは何処の分野においても必要な看護の基本です。
急変リスクの高い患者さんも多いので、いかに急変を早くキャッチするかというのは、私たちの得意分野になります。これらを踏まえて、看護師の質が上がるようなかかわりを持っていきたいです。自部署、他部署を含めた教育環境をつくっていきたいと思います。